『現実を直視しないかのようにずるずると判断を遅らせた・・・』

<2016年9月26日(月)>
『現実を直視しないかのようにずるずると判断を遅らせた、そんな過去を乗り越えて』

 「ドイツ西部にあるワンダーランド・カルカーは、どこにでもある普通の遊園地だ」。そこは嘗て高速増殖炉だった。「天声人語」(160926)は、思う。「ドイツ政府が正式に断念を発表したのが1991年。ちょうどこの年に、日本の高速増殖炉もんじゅは完成した。日本は夢を見続けたが、実現はしなかった。投入された1兆円で他に何ができたかと、考えるのもむなしくなる。もんじゅの跡地もいつか、親子連れが集まるような場所になれるだろうか」と。

 あともう少しで目的の山頂であろうとも、危険であれば撤退する。これができなければ、二度と大好きな山に登れなくなる。一番大事なのは、何かを忘れてはならない。もんじゅには随分と投資したであろうが、一向にものにならない。それでも夢のために何とか動かしたい。そうやって、無駄を引き延ばしにしてきた。夢の実現より事故の起きる可能性のが高いのではないか。そんなことにまだ決断がつかない。日本人は何時から後退や撤退することを忘れていまったのか。ドイツに遅れること四半世紀、遊園地はいつできるであろうか。(JN)