<2016年9月10日(土)>
『国の富を子どもの命を守るために使わず、人殺しの道具に費やす(筆洗)』
「もはや一国の指導者として、常識的な判断やかじ取りができなくなっているとしか思えない」と「春秋」は表現する。「人民生活が大変なのに人工地球衛星などしょっちゅう発射してどうするのか。早く人民生活問題でも解決したらよい」と「余禄」は北朝鮮兵士の思いを紹介する。「きのう核実験を強行した北朝鮮は、『われわれの尊厳と生存権を守り、真の平和を守るため』に核兵器が必要だと声明を出したそうだが、その『われわれ』とは、誰のことか。人の寿命を砂浜の足跡にたとえれば、わずか五歩の足跡も残さずに死んでしまう子は、日本や韓国では千人のうち三、四人。だが、北朝鮮では二十七人もいる」と「筆洗」は『もしも地球がひとつのリンゴだったら』(小峰書店)を引用する。「国の富を子どもの命を守るために使わず、人殺しの道具に費やす。『われわれ』という言葉の何と虚ろなことか。(筆洗)」
金王朝の繁栄のためなら、というより金正恩自身の欲望のために武器を花火のごとく打ち上げ、また核で地面を揺るがす。北朝鮮に住む者は、金正恩の所有物ではない。他人の命を自分の欲望のために疎かにするな。いつまで、北朝鮮の為政者たちは、この状態を続けていくのか。我が国の首相は勇ましそうなことを言っているが、何をしているのか。われわれ、平和を貪る者たちは何をすればよいのか。空しく虚ろな言葉を発するだけである。(JN)