『父子の絆が、時代ごとにそれぞれの彩りで浮かぶ』

『父子の絆が、時代ごとにそれぞれの彩りで浮かぶ』
 「春秋」(日経/16/6/4)は、様々な親子を揃えて想う。「森鴎外は教育パパだった。昭和末期、阿部昭は自宅の朝、血相を変える3人の子と母親、子供たちの成長を喜ぶ。平成の高齢化社会、漫画『ペコロスの母に会いに行く』は認知症で施設に入る90歳近い女性は夫の生前、酒乱と暴力に悩んだが、今や善人と化した夫の幻と頻繁に会話する。端で見ている60代の息子は『母の中で父は生きている』と感じ。北海道で孤独と空腹に耐え、6日ぶりに保護された男児に父親は『ごめんな』とわびたという。感情的な言動への深い反省は男児の心にも響くだろう。安堵の結末に、父子がより強く結ばれんことを願う。」
 父は子供に自分の期待を夢膨らます。そのために子は様々な環境を与えられ、それから逃れようとする。父からその環境の与え方は様々であり、結果も様々だ。これに対して、子はその期待に努力したいが、それぞれ様々な反応を示す。自分の父は、左投げのエースを作りたかったのか、赤子の時から私の左手にボールを持たせていたという。残念ながら巨人星にはなれなかったが、巨人のファンになっている。私は子供にマエストロになって欲しいと、音楽を聴かせ子供はその曲に手を振っていたが、違う世界で働いている。親の勝手は子供に通じないが、親子は親子だ。それが親子の絆か。(JN)