『心は老いぬ。これも、あの花を見て思い出していただきたい・・・』

『心は老いぬ。これも、あの花を見て思い出していただきたい<さまざまの事>の一つ。』
 「先週は名古屋、福岡。きのうは東京でも咲いた」。「筆洗」(朝日/2016/3/22)は、「<さまざまの事おもひ出す桜かな>芭蕉。どんな植物にも昔のことを思い出させる力はある」と。そして、詩人・翻訳家の加島祥造さんがサクラの花びらと人間について若木も老木も変わりないし、人間も変わらないと。「花びらは人でいえば、生命力や精神力。それは年を取らぬ。同じ花びらを付けることができる。いくつになろうと可能性を信じたい。心は老いぬ。これも、あの花を見て思い出していただきたい<さまざまの事>の一つ。」
 一昨日の日曜日に、久ぶりに近所の川沿いを歩いた。春が来たのかなと思いながらも、やはり桜を見ないと春を感じない。それが昨日、<サクラサク>となった。これで数日のうちに目が痛くなうような輝きが見られるようになるのか。その花びらが若い桜と古い桜とで違いのか、などと思ったことがない。いつもあの花の輝きに浸っているだけであった。違いはなかったとの話に、やや老木の当方は安心したが、それは花を咲かそうとする意志がなければ、我々人間はただ老いるばかりなのであろう。そこはやはり、心老いぬためには、やる気と色気を出さねばならない。枯れぬよう、何時までも周りを楽しませる心を持ちたい。(JN)