『プーチン大統領の柔道を愛する心、スポーツマンとしての矜持は本物?』
「ロシアのプーチン大統領は、十五年前に沖縄サミットに出席したとき、背広を脱いで柔道の稽古に参加し、中学生に投げられた。」そして、「講道館まで足を運んで汗を流し、小学生の女の子に背負い投げを決めさせた。大統領の柔道を愛する心、スポーツマンとしての矜持は本物なのだろう。そう思わせる出来事だった」が、東京新聞「筆洗」(2015年11月13日)は更に続けてロシアのドーピング問題を指摘する。「プーチン氏はFSBの元長官。情報機関は彼の手兵のようなものだ。国威発揚のため選手の体と心を蝕む『強化策』を推し進め、露見すれば切り捨てる。大統領は白い柔道着を着続けられるのか。」
嘗てオリンピックは「参加することに意義がある」などと言われていた。今は「勝つこと以外に意義がない」ようになっている。世界一を争うようなオリンピックを含めての競技会は確かに勝つことが重要だが、スポーツとは何のためにあるのか。体力増進、健康な心身を維持することにあろう。それなのに、身体に良いとは思えないドーピングまでして勝つことに意義があるのか。否、人権の侵害ではないのか。矜持なき者は、スポーツ界より去るべきであり、それを指示したものは政界を去るべきである。(JN)