『渦中に日本隊は飛び込んだのだ』

『渦中に日本隊は飛び込んだのだ』
 「この地域を歴訪中の安倍首相は何を持ち帰るか」、日経「春秋」(2015/10/26付)は、安倍首相のモンゴル中津アジアへの訪問を、100年ほど前の「1911年、砂漠と高原が広がる中央アジアで、日本人青年が音信を絶つ」からこの地域の複雑さを述べ、そして「100年後も熾烈なゲームが進行中だ。狙いは石油など豊富な資源にある。英国に代わり中国が登場。『シルクロード構想(一帯一路)』なる経済圏をつくり始めた。ソ連崩壊で影響力が薄れていたロシアも食指を動かす」と。
 敦煌、そして中央アジアを目指したのは、歴史の発掘のためではなく、領地発掘のためであったのか。人の欲望は果て無く尽きない。地球上には国境線がないのに、我々は勝手に作り出し、それを広げようと戦いは続く。我々と言っても、国民の意志ではなく、権力の意志である。大国になると、国境線からの外の遥かな地域まで自分のものと考えて、荒らしまわる。シルクロード、名前は美しいが、そこへの思いは、大国の戦いの場である。そこへ我が国も負けじと入り込む。どこと手を組み、どことやり合うのか。シルクロードは、長く曲がりくねった道である。(JN)