『ライチョウ、人を見て逃げないのは日本のライチョウだけ』

ライチョウ、人を見て逃げないのは日本のライチョウだけ』
 人為的温暖化は、高山からライチョウの姿を消してしまう、それは、「激しい雷雨で里はたびたび水浸しになるかもしれぬ」と、東京新聞「筆洗」(2015年9月12日)は、警告する。
 「ライチョウは、人を恐れぬ。というのは、日本に限ってのこと。海外ではライチョウも狩りの対象だったが、日本では『神の鳥』として大切にされた。そうした日本人の自然観の象徴なのだと。だがこの鳥の生息に欠かせぬ高山のハイマツは、温暖化によって激減すると予測される。『神の鳥』が絶滅するとき、この国はどうなっているか。いま目にしている鬼怒川の氾濫のような事態が急増するのではないかと。ライチョウは雷雨とともに姿を現すといわれるが、人為的な温暖化でこの鳥が日本の高山から姿を消してしまうようであれば、激しい雷雨で里はたびたび水浸しになるかもしれぬ。」
 気候の激しさや温暖化は、我々が原因を作り出したのか。それとも、この地球の気まぐれなのか。それは、分からぬが人間も他の動物も住みやすい環境づくりに努力をしなければならない。日本のライチョウだけが人を恐れない、これも日本の人の日々の行動でそこまでなった。環境は、そこに住む者の努力で良い方向なのかは別として変えまた維持することができる。しかし、破壊されるのはアッと言う間である。私たちには未来はわからないが、今のことを認識し合うことはできる。お互いの存在を認識し、ライチョウのような生物だけでなく、過去の遺産、生活圏をどのように存続して行くのか、無力であってはならない。(JN)