『願わくば、同様の未来が難民にも訪れんことを』

『願わくば、同様の未来が難民にも訪れんことを』
 「欧州の難民危機」、これを私たちはどう考えよう。日経「春秋」(2015/9/5付)は、その受入れについて「欧州各国は受け入れの分担を協議するが、溝は深い」と。
 「山田洋次監督の映画「家族」は、かつて炭坑で栄えた長崎県伊王島から、酪農経営を夢見て北海道へと移り住もうとする一家のドラマだ。出稼ぎや集団就職、海外への移民など、豊かさを求め、思い出いっぱいのふるさとを後にする人が身近にいた時代。中東やアフリカから地中海を渡った人は今年すでに32万人、ハンガリーには陸路で15万人が押し寄せた。欧州各国は受け入れの分担を協議するが、溝は深い。映画では、長い旅路で5人家族が3人になる不幸に見舞われるが、終幕は酪農や夫婦の暮らしへの希望があふれる。願わくば、同様の未来が難民にも訪れんことを。」
 我が故郷を離れることに様々な理由があろう。出たくて出る人もあれば、仕方なく出ざるを得ない人も、そこに住むことを放棄しなければならないことにある。そして、移動した先での影響もある。動いてきた風は土地に新たな風を齎す。我が日本国内であっても、様々なストレスを生むし、新たな創造のチャンスともなる。それが国境を越えて、しかも多数の家族が動いていくことは、そのままにしておくと、台風となりその土地土地を荒らしてしまう。その大移動を生んだ原因への対応も必要であるが、まずはこの台風としないためには、通過・受入れの国家間での利害を超えた対応が必要である。殆ど難民をうけれない我が国も、他国ごとではなく、他者を受け入れて行く心身を作って行かねばならない。(JN)

Immigrant Song(Led Zeppelin)*Excerpt
Our only goal will be the western shore.
So now youd better stop and rebuild all your ruins,
For peace and trust can win the day
Despite of all your losing.