『子どもの自殺が一年で最も多いのは、九月一日だという』

『子どもの自殺が一年で最も多いのは、九月一日だという』
 谷川俊太郎さんも、「学校に行くのが嫌で嫌でしょうがなかったそうだ」。東京新聞「筆洗」(2015年8月20日)は、そんな谷川さんのた詩集『子どもたちの遺言』を紹介している。
 「<いやだ と言っていいですか/本当にからだの底からいやなことを/我慢しなくていいですか/我がままだと思わなくていいですか…>。「いやだ」と言いたいのに、言えない。そんな気持ちを口に出せないまま、自ら命を絶ってしまう子もいるに違いない。政府の調べによれば、子どもの自殺が一年で最も多いのは、九月一日だという。『学校に行くぐらいなら、死んでしまいたい』と思い詰めている子が今この時も、どこかにいるのかもしれない。命より大切な学校など、どこにもないのだけれど。谷川さんも、学校に行くのが嫌で嫌でしょうがなかったそうだ。いじめに遭い、教師に反発し、高校は定時制に転学して、何とか卒業したという。<いやだ と言わせてください/いやがってるのはちっぽけな私じゃない/幸せになろうとあがいている/宇宙につながる大きな私のいのちです>」
 この夏休みがあと2週間を切ってしまった。9月1日からまた学校に行かねばならない。学校へ行くのを楽しみにしている者もいれば、そうではない者もいる。その理由は様々だ。私のような愚図は、宿題が溜まりっぱなし、家でゴロゴロしていたい。そんな思いが、そろそろ、いや25日ごろから出てくる。そんな子供は、始まってしまえば、結局愚図の仲間がいて、その連中とともにまたその生活に流されていく。しかし、そうではない子供はどうすればいいのか。簡単に、こうだと言えない。いやなら学校へ行かなくていいよと、他人は簡単に言えるが、当人の心は複雑、家族は理解できない、先生は何もできない。でも、あなたの命は一つしかない。その命を絶つような選択をしてはならない。自殺をする場所ではなく、自分を生かす場所を探してもらいたい。死んでしまっては、真実は伝わらない。まだ、夏休みはあるので、その期間に自分の世界を見出すきっかけを作って欲しい。無理は承知だが、思いっきり遊んでほしい。何かに無我夢中になって遊んでほしい。学校なんて小さな世界に縛られず、広い世界を見てほしい。(JN)