学びへのいざないとは

学びへのいざないとは
(朝日「(天声人語)2015年4月8日) 子どもの頃の時間はゆっくり流れる。大人になると時間はたちまち経過する。信州大の山沢清人学長は4日の入学式で、脳科学者の言葉を引いた。「周りの世界が見慣れたものになってくると、時間が速く過ぎ去っていくように感じられる」。山沢さんは学生に「自力で時の流れを遅くする」ことを勧める。新しいことを学び続ける。新しい場所を訪ねる。新しい人に会う。すると脳の取りこむ情報量が多くなり、時間はゆったりしてくる。それが創造的な思考を育てることにつながるのだという。ところで、来年度から使われる中学校教科書の検定結果が、領土問題や歴史認識で、日本政府の見解や立場についての記述が増えているのが特徴だ。だが、政府見解といっても政権が交代すれば変わりうる。自国だけでなく、他国の主張も知らなければ理解は深まらない。息苦しさは学びにふさわしくない。京都大の山極寿一総長はきのうの入学式で、世界は答えのまだない課題に満ちていると述べた。失敗や批判に楽観的であれ、「異色な考え」を取り入れよ、と。広々とした心持ちで、ゆったりと学びたいものである。
(JN) 大学は、社会から期待される若者を如何に育てるか、そのための第一歩として、各大学の学長は工夫を凝らして新入生に話をする。どうしても、大学の先生は難しく話してしまい、そこの座っている時は、十分な理解ができない場合もあろう。そこで、わからないで終わってしまうか、さて、あの爺さんは何を言いたかったのかと考え又、調べるところから、大学の授業はスタートしている。その内容と期待は、その学長の考えとは異なる理解もあろうが、それぞれが頭で考え、じっくりと4年間をスタートしてほしい。大学は、ある考えを強要するところではない。おかしいと思ったら、それに挑め、そして、敗北も受入よ。急がず、じっくり、しかし、4年間で卒業し、新たな世界に挑戦しよう。
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