トップ選びの難しさ

トップ選びの難しさ
(朝日「天声人語」3月24日) 「おもろい会社である」。1977年1月、山下俊彦氏が松下幸之助氏の代わって松下電器産業を担うことになった。たたき上げの技術者で、取締役26人中、序列25番目だったから、「山下跳び」といわれた。あの頃に比べれば年功序列はだいぶ崩れ、多少の抜擢(ばってき)人事も珍しくなくなった。それでも驚いた人は多かろう。4月1日、三井物産の社長に安永竜夫(やすながたつお)氏がなる。序列が上の32人を飛び越えての昇格だ。デンソーでは「14人抜き」、味の素でも「7人抜き」の新社長が6月に誕生する。実力本位ということか。松下の山下氏は抜擢された側のやりにくさを率直に認めていた。同時に指摘していたのは「でも、だれにも遠慮なしにやれるとしたら、かえってあぶない」という点だ。働いて「おもろい会社」とは、上下関係の中でも言うべきことが言える会社だろう。とりわけトップには、耳に痛い直言も受け止める度量の広さが必要だ。そんな人物を選び出すのがきっと一番難しいのだが。
(JN) 駅伝でもあるまいし26人抜きとか、32人抜きと、人事と言うものはバランスも必要なのか、順番を非常に大事にする。多くの人の納得がないと組織が動かなくなる。順番の上にいる者ほど、年齢は嵩んでいて硬直的であるから大変である。若返りが必要と言われるづけ、永年に若返らないのではないか。年齢だけでなく、男女の問題もある。この「おもしろい会社である」ところも、取締役26人中に女性が何にいたのであろうか。また、トップが変わって、、会社が変わることはどれだけあろうか。そこを維持している者は、大きな変化を恐れる。その会社がどうなろうと自分の地位を守りたいのであろう。実力以上に必要なものが昇格人事には必要なのか。また、上下関係でもいえることが言えると良いが、皆、今の地位を落としたくないので、とても難しい。それではおもしろくないのである。
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