やってはならないことを自身が考え、胸に刻むこと

やってはならないことを自身が考え、胸に刻むこと
(日経「春秋」2015/2/27付) どこかから指令が出ているようでもないのに、一匹一匹が整然と泳ぐ。そろって一気に方向転換もする。そんな魚の群れは会社の組織の理想的な姿であると、元花王社長の常盤文克氏から聞いたことがある。研究者出身のこの人らしい観察眼だ。いちいち言われなくても一人ひとりが能動的に考えて行動する。企業にルールの順守が厳しく求められている昨今は、やってはならないことを社員自身が考え、胸に刻むこともいっそう大事だ。警鐘を鳴らす最高裁判決が、きのうあった。大阪市の水族館「海遊館」の男性管理職2人が繰り返したセクハラ発言をめぐり、出勤停止の懲戒処分が重すぎるかどうかが争われた。男性側は「事前に警告や注意がなかった」としたが、最高裁は、セクハラ禁止の会社方針を「当然に認識すべきであった」とし処分を妥当と判断した。言われずとも改めよということだ。秩序を守って泳ぐ魚の群れが身近にいたはずだが、そこまでの組織になっていなかった。常盤氏からは、ハチの群れもアリの隊列も、一匹一匹が集団の意思に沿って行動すると聞いた。統制がとれ、しなやかに動く組織とは? 生物の集団を本格的に研究した方がいいかもしれない。
(JN) 組織の構成員は、一人ひとり異なる個体であるので、規則正しく群れることは難しい。しかし、その個体は、同じルールの中で動いていくことはできよう。しかし、過去の悪習から脱することは、難しいのか、それとも脱することを試みないのか、セクハラ等のハラスメントは身近で相変わらず起きているのが実情だ。我が身はもちろん厳しく、仲間にも気を付けてもらっているところであるが、なぜ起きるのか。特に、セクハラは男側の甘えであろうか。このために、優秀な仲間がそれなりのことを受けて行く。研修会は、常におこなわれているが、なぜ起きるのか。大脳のコントロール能力を働かせて、理性的な人間としての行動をとるようにしよう。個々の頭脳が問題だ。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO83737330X20C15A2MM8000/