愛称ブームは、地方空港の経営が苦しいことの裏返し

(日経「春秋」2014/12/22付) いつの間にか、空港の名前がにぎやかになっている。富士山静岡、徳島阿波おどり空港対馬やまねこ、五島つばき空港、富山きときと空港、米子鬼太郎空港、鳥取砂丘コナン空港と・・・・・。愛称ブームは、地方空港の経営が苦しいことの裏返しでもあろう。やっとの思いで誘致した路線が、実績が上がらないまま廃止されることだって珍しくはない。お金をあまりかけず、アイデア勝負でなんとか活性化につなげたいという気持ちはよくわかる。空港はその地方の空の玄関である。面白いネーミングでも悪くはないのだろうが、玄関を飾るだけでなく、肝心の家の中をいま一度見回し、より居心地のいい空間にしてもらいたい。まだ大仕事が残っている。
(JN) 地方の活性化を考えて、戦後に様々な試みがされるが、首都圏への集中化が続く。交通網も日本列島改造論で、地方と首都圏を人が動くものとしていたが、結局は地方から首都圏に人が動いていく一方である。空港も同様である。空港名を変えたって、産業が活発になるわけでもない。観光客もどれだけ伸びるのか。広報と言う方向は人々の知らしめるために大事であるが、中身に力を入れなければ一時的なブームで終わる。名前の変更も、中身有っての変更ではないか。我が業界も、そういえばその昔、学科名を変えて改組としているようなところもあったようだが、中身は変わらず、直ぐに、化けの皮が剥がれていた。パチンコ屋さんのように新装開店を繰り返すわけにはいかない。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO81187720S4A221C1MM8000/