日本人のビール好きは明治のむかしからのDNA

(日経「春秋」2014/8/4付) 湯上がりにビール、ビールとはやる心を抑えつつ冷蔵庫を開けて、無情にもそこに買い置きの缶がなかったときのショックはなかなか大きい。日本人のビール好きは明治のむかしからのDNAにほかならぬようだ。田山花袋の「田舎教師」に、湯屋の座敷で昼から飲み始める場面があるように、飲んべえたちは100年前も同じ所作で気炎をあげていたのだ。そんな国民的飲み物も、近年はあまり元気がない。発泡酒なども含めたビール系飲料の昨年の出荷量は9年連続で過去最低を更新した。とはいえ日本はなお世界第7位のビール消費大国だが、ここにきてインドやタイの伸びが著しいそうだ。盛大な泡立ちと爽快感は、たしかに勢いのある国によく似合う。なにかにつけてうんと冷えた一杯が欠かせぬ昭和オヤジにもそういう意気あり――と言っておこうか。「矢の如くビヤガーデンへ昇降機」(後藤比奈夫)
(JN) P体が気になり、T風を恐れながらも、こののど越しに勝るものなし。まずはジョッキー生からスタートである。でも、ビールは高い贅沢品であるので、飲兵衛オヤジとしては、焼酎やハイボールに移行していくのである。ビヤガーデンも暑いので、今では涼しい居酒屋での反省会になるので、冷たいビールもそれほど売れないか。これから100年後の飲兵衛は、何を飲んでいるのか。それは22世紀である。多分、ビールは生き続けているであろうが、日本国はどうなっているのか。日本の人口は何千万人か、ビール消費量は何番目になっているのか。この消費量は活躍のバロメーターであるので、是非とも、ベスト10に納まっていてほしい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO75186590U4A800C1MM8000/