1944年のブレトンウッズ会議の合意からきょうで70年になる

(日経「春秋」2014/7/22付) これまで発行された紙幣で一番大きいのはどの国のものか。中国の14世紀、明の時代の「大明通行宝鈔(しょう)」が最大とされる。A4判よりもひと回り大きい。大国意識からか、お金にも存在感を誇示する姿勢が表れているようにみえる。その後、お札の歴史は欧米が主役になった。産業革命で物の売買が盛んになり、紙幣の需要が急増。第2次大戦後、貿易決済や金融取引に広く使われる基軸通貨は英ポンドから米ドルへ移る。その体制が固まった1944年のブレトンウッズ会議の合意からきょうで70年になる。米国は世界の政治経済への影響力に陰りがみえるものの、ドルは今も基軸通貨の座にある。脅かす通貨はあるか。欧州ユーロもあるが、気になるのは急速に経済力をつけてきた中国の人民元だ。材料の紙が発明され、木版や活字印刷の技が育ったのも中国。地力は侮れないかもしれない。
(JN) 紙幣は、その発行元に信用が無ければただの紙切れである。その紙切れが商品となり売り買いされる市場では、特に目の前で紙切れが動いているわけではない。一体、カタチもなく売り買いされるその信用とは何であろうか。経済力? 解らない。いったい何に価値があるのか。何かを基盤に信用が確立しているが、その一部が崩れると、各国の経済がドミノの如く倒れて行く。紙幣と言う信用は架空の信用であるが、信ずる者は救われ、そして地獄へおちて行くのか。正にカジノ経済である。人民元は、世界で信用され、国際通貨に値するものになり得るか。これからのお楽しみの大国であるが、経済とは好不況の循環で成り立つもの、そのタイミングによっては信用より武力が飛び出す可能性もあり、ブレトンウッズの終焉を迎えるかもしれない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO74552710S4A720C1MM8000/