この国は異様な独裁者の統べる王朝との感を深くする

(日経「春秋」2014/7/10付) 人質を取って立てこもるという事件、警察はなだめすかして犯人の説得に努め、多少の差し入れなどもしてやって粘り強くじっくり敵と向き合う。ところが、威嚇のためなのか銃をぶっ放す手合いが少なくない。北朝鮮がきのうまた、日本海に向けて弾道ミサイル2発を発射してみせたのもそのたぐいだろうか。代替わりしているといっても、自ら繰り広げた日本人拉致を「再調査」とは本来おかしな話だがそこは目をつぶるとしよう。だからせめて一意専心、この機会に洗いざらい明かして被害者を戻すのが人道にほかなるまい。しかしこうした振る舞いを見るにつけ、やはりこの国は異様な独裁者の統べる王朝との感を深くする。国家間の協議というより、これは人質をたてに、ときに銃声を響かせて周囲を脅す者たちとの際どい交渉である。拉致被害者は政府認定の12人だけでなく、相当な数にのぼるに違いない。そんな闇を抱えた相手との闘いである。
(JN) やる方法がこれしかないから、ミサイルを放つ。指導者の能力があれば、やり方もあろうに、拉致被害者の情報を小出しに。信用されていない国であるから、これしか方法が無いのであろうか。まずは、国民の体と心を健康にすることが一番大切であるのに、国民を犠牲にしている以上、他国からの信用は得られないであろう。このような国に対して、我が国の首相は積極的平和を呼びかけ、国策について助言をすべきでないか。しかし、北朝鮮にとっては、現在の日本は敵国であるし、過去の怨みもあり、簡単にお互いが信用し合うことは難しいのであろう。なだめすかすだけでは、この金王朝が今後、東ドイツのように地図から消えるのは何時になろうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO74034620Q4A710C1MM8000/