へそは安全運航と顧客満足のはず。

(日経「春秋」2014/6/12付) 金の冠に銀を混ぜてないか調べよ。湯船につかった。あふれると同時に体が浮く。その時、閃(ひらめ)いた。「アルキメデスの原理」発見の瞬間である。また、てこの原理の例として「私にどこか足場があれば、地球を動かしてみせる」と豪語した。三角形などの図形や立体の重心も見つけた。日本航空のシステム障害では、重心が計算できず、178便が欠航、約1万4千人が迷惑した。この8カ月で部品付け忘れなど整備ミスが16件発生。人の重心はへその辺りにある。貝原益軒の養生訓では命の根がある場所。ここに力がないと体を支えられない。活動に支障も出るそうだ。航空会社にもあてはまる。へそは安全運航と顧客満足のはず。再建できて初心を忘れ、位置が見えなくなっていないか。会社運営の原理を学び直さないと、業績で臍(ほぞ)をかむことになる。
(JN) 我々が仕事をする上で、システム障害というものが起きることがある。でも、これは、システムが不能だったり壊れたりしたわけではなく、その前の人為的なミスが多い。システムは、大体、指示をした通りに作動するので、その前の我々のところに問題がある。これが全て人間が行う作業であれば、おかしいことが起きれば、人為的に修正を行い難を逃れるが、機会は正直ゆえ、そのままトラブルが発生する。私たち人間は、手順通りに行うことができない場合があり、その場合を如何に少なくするかでシステム障害の発生を少なくできるのであろう。そこには、完璧なマニュアル以外に大事なもの、へそが必要なのであろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO72610650S4A610C1MM8000/