お金を寄付するだけでは

(日経「春秋」2013/12/1付) 外から帰ったら、あるいは食事の前には、まず手を洗おう。この習慣が「輸出商品」に、相手先はアフリカのウガンダ。せっけん会社のサラヤが3年前からユニセフと共に、まめに手を洗う習慣を普及させようと活動している。戦後間もない日本。多くの人が赤痢などの食中毒に苦しんでいた。サラヤは液体せっけんと使いやすい容器を開発し、手洗いキャンペーンを展開した。命を救い、ビジネスも伸ばす。ウガンダでもこの再現を目指すが、日本と違い水道のない地域も多い。2年前に現地法人も設立し、近く安価な消毒剤の現地生産を始める予定だ。「お金を寄付するだけでは面白くない」という若手社員の声が原動力だという。私たちの築いた安全、快適、清潔、便利な暮らしを望む人は世界中にいる。
(JN) 私たちが戦後日本で進めたことがそのまま他国に通じるではないであろうが、原理は同じだ。水と人と教育だ。日本は採算を考えず、もっと人を出して病から我々の仲間を救おう。また、不足している医師や看護師の養成のために、現地への指導者の派遣と日本での受け入れをしたい。そのためには、産学の連携だ。国の補助などを当てにせず、私企業と私立大学が、そのそれぞれの精神を基に活動し、人により人のための活動とし、物理的にも精神的にも国の枠を消し去ろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO63426020R01C13A2MM8000/