試されている空間

(日経「春秋」2014/6/10付) 東京急行といえば、東横線などの電車を走らせる電鉄会社のこと。と思いきや、冷戦時代のソ連空軍機の「東京急行」、東京に向かって頻繁、同じ機体に同じ航路。防空識別圏に侵入すれば、航空自衛隊スクランブル発進する。すると「東京急行」はクルリと反転し、北海道の東部沖へと引き返していく。ソ連という国家は消えたが、ロシアの急行便は今でもやって来る。中国機の接近は日常茶飯事になった。しかも空だけではない。インターネット空間で、ちょっとしたサイバー攻撃が増えているという。見知らぬ相手からメールが舞い込む。微妙におかしな日本語のサイトに出会う。なんとなく「変だ」と感じる場面が増えたのは、気のせいではあるまい。自衛隊も警察も、今の体制では個人まで守り切れないのではないか。試されているかと思うと気持ちが引き締まる。
(JN) 世界は、見えない戦いが続いているのか。いざ、という時のために、各国が試したり試されたり、様々な場面に侵入を行う。それは、国外からの場合もあれば、内部からの侵略もある。どこから弾が飛んで来るかわからない、見えない乱射戦である。これに我々一般市民も知らぬ間に侵されているのかもしれない。そんなことに力を注がなくても良いものを、何を守ろうとしているのか、世界の国々は、何かに急かされるように、見えない戦いを繰り広げている。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO72506220Q4A610C1MM8000/