はしかの患者数は4月はじめまでに253人、昨年1年間の総数を上回る

(日経「春秋」2014/4/19付) ウイルスと聞けばインターネット空間を思い浮かべることが多くなった。本物のウイルスの方は昔も今も変わらず人類の大きな脅威であり続けている。今年の患者数は4月はじめまでに253人で、昨年1年間の総数を上回った。一度は経験する通過儀礼を「はしかのようなもの」と言い表す。しかし現実には、重症化すると千人に1人が命を落とす恐ろしい病である。最近は予防接種を受けていない成人の感染も目立つ。ウイルスとの長い戦いの歴史を思えば、私たちは敵を知ってまだそれほどたってはいない。今なお新種や亜種が見つかり、変異して薬剤への耐性を獲得する。戦いは果てしなく続くだろう。はしかの感染が本格的に広がるのは毎年5月から6月にかけての時期だという。パソコンをワクチンソフトで守るのと同じように、特に乳幼児に対しては予防接種を受けさせることが何より大切だ。まずは備えを固めなくては。
(JN) 生物は、お互いにその環境の中で、自分たちの子孫を多く広め未来永劫引き継がれていくことを願う。その展開の中に、人類と様々なウィルスとの闘いもある。互いに、新兵器を繰り出し、永遠に攻防が続くのであろう。はしかには日本はもう打ち勝ったと思いきや、敵はまた攻めてきた。その永遠の闘いのほんの一時期に私たちは居るが、ここで未来の戦況を悪化させないために、医学の発展とともに私たちが個々にできることをしなければならない。それは、またリスクを背負ってでもある。生物が発展することに安全な道はない。それを考慮の上、ワクチンを接種して行こう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO70104570Z10C14A4MM8000/