科学の世界からはひどく遠いところにきてしまったこの騒ぎ

(日経「春秋」2014/4/10付) きのうヨシミにきょうハルコ、「時の人」が謝罪、釈明、反論の記者会見に出てきてテレビ桟敷もあわただしい。8億円問題の渡辺喜美先生に続き、こんどはSTAP細胞の小保方晴子さん登場である。いかにも政治家の、のらりくらりの弁解が退屈だったみんなの党前代表に比べると、理化学研究所という大組織を向こうに回した若き女性研究者の姿は見ものではあった。「STAP細胞の作製には200回以上成功している」とは驚きの「新事実」だ。しかしそんな名手が論文は自己流で「不注意、不勉強、未熟さ」ゆえにおかしなものを仕上げてしまったとはじつにチグハグである。奇妙といえば彼女と一緒に研究を続け、論文執筆を手伝った先輩同輩の感覚もいよいよ謎である。今回の会見をどんな思いで眺めたことだろう。それにしても科学の世界からはひどく遠いところにきてしまったこの騒ぎ、つまるところ証拠物件があるかないかの勝負だ。ヨシミの「熊手」とは話が違う、と信じたいのだが。
(JN) ハルコさんは、敵多き研究者か、理研の皆様には目の敵にされたが、でもその他の多くの研究者からは、バッシングされるでもない。この研究者たちは、それぞれの地位や身分としてのハルコさんを押さえつけたいのであろうが、涙ながらに頑張っている。若い研究者よ、がんばれ。8億円をどう動かそうが私は悪いことをしていないという、ヨシミさんのような怪しからん輩に8億円を渡すより、若い研究者に化粧品会社の社長さんは渡せばよかったのではないか。出資者よ、自分たちのためには「熊手」の方が大事なのか。否、「熊手」より「STAP」であろ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO69662310Q4A410C1MM8000/