今よりちょっとだけ気配りし、声をかけてみたい。

(日経「春秋」2014/3/22付) 最近耳にするようになった新しい言葉に「面前DV」がある。父や母が相手を、子どもがいる場で罵り、殴り蹴る。そのとき、大好きなはずの親は鬼の形相を浮かべているだろう。面前DVは子どもの心に、「こういうときは殴ってもいいんだ」。そんな刷り込みがされ、暴力の連鎖が続くおそれもある。この5年で警察が対応したDVは2倍、児童虐待は3.6倍、ストーカー被害は1.4倍になった。それまで表面化していなかったものが新たに「発見」された面はあるだろうが、それにしても異常というほかない。そもそも他者が入り込みにくい場所で起きる問題は、発見も対処も遅れがちだ。私たちの周りにも、子育てや人間関係の悩みを抱え込み、ひとり苦悩している人がいるかもしれない。今よりちょっとだけ気配りし、声をかけてみたい。お役所も隣近所も、もっとおせっかいでいい。
(JN) 世の中、せっかくの好意が大きなお世話となったり、またその行為に文句を言われたりするので、ご近所おせっかいが無くなってしまった。更には、ご近所づきあいが無くなり、隣にどんな人がいるのかもわからないような状況だ。ならば、行政にお願いしようと思うところであるが、我々は行政に直接の行為を頼るべきではない。我々は、地域で生きて行く上で、お互いに助け合う方法を自分たちで動かすべきである。そこには、方法についてプロの教えが必要であれば、行政の力を借りたりして学習していくことになろう。「面前DV」が生じないようにするのもご近所の力、弱い側を守ることがおせっかいおばさんや暇なじいさんたちでできないか。他人事を真剣に考える人づくりにもなろう。私たちは忘れかけている近所づきあいを大人から子どもまで取り戻そう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO68689430S4A320C1MM8000/