「いや誤算だったクリミア介入」

(日経「春秋」2014/3/4付) 「いやでござんすペリー来航」。黒船4隻を率いてペリー提督が浦賀沖にやってきた1853年、同じ年でも世界史になると「いや誤算だったクリミア戦争」。欧州列強はクリミアにかかりっきりだったから日本開国で米国の一番乗りを許し、ロシアのプチャーチンは長崎に来航しながら戦争勃発でいったん引き揚げた。ロシア船での密航を企てた吉田松陰はあてが外れ、翌年、黒船に乗ろうとして獄に落ちる。ウクライナの新政権に対抗し、またぞろ武力を背景に虎の子のクリミア半島掌握をねらうロシアの動きに世界の緊張が高まっている。権益を確保するためならひどい横車を押してはばからぬこの大国に、ここは日本も米欧と結束してしっかり圧力をかけねばなるまい。「いや誤算だったクリミア介入」。こう嘆かせるために、国際社会はどんな手を打てるだろう。
(JN) 昔から不凍港の獲得ために領土を広げてきたロシア、クリミアはその意味でも、押さえて行きたい場所である。それを欧米は如何に阻止うるか、腕の見せ所であり、それに日本も加担せねばならない。しかし、積極的平和を掲げている日本だが国際政治力の乏しさから、口をはさめない。ここは、北方領土とは切り離し、平和を愛する日本として、ロシアに言うべきことは言いたい。19世紀の力学がまで生きているロシアを新しい国にするためにも、各国はウクライナを支援すべきであろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO67718230U4A300C1MM8000/