選ぶ側の消費者や有権者が振り回されるだけならごめんである

(日経「春秋」2014/2/4付) 「バンドワゴン」、なんだか面白そうだと、後ろについて歩き出す人がいる。追随者が増えるにつれて興奮はさらに高まり、しまいには街中の人が行進に加わる。社会科学でいう「バンドワゴン効果」である。政治の世界では見慣れた光景だ。「大阪都構想」を掲げた大阪市橋下徹市長が、辞職と出直し選への出馬を表明した。対抗馬がいなければ、一人で行進して一人で勝つことになるのだろうか。ビジネス界にも似た現象がある。みんなが買うものを自分も買いたくなる。多くの人が選ぶことで新たな価値が生み出される。携帯の通信会社を選ぶ消費者の行動は、その典型だろう。頻繁に携帯を乗り換える人は多い。ふと気がつくと通信代はあまり安くなっていない。企業が激しく競っているようでいて、肝心の競争の恩恵が利用者に下りて来ないのではないか。選ぶ側の消費者や有権者が振り回されるだけならごめんである。
(JN) 我々の目に見えるのは過ぎ去ろうとする今であり、先のことが見えないので、目先のデモンストレーションに直ぐに影響されてしまう。また皆の行動に影響される。バンドワゴンはハーメルンの笛吹きかもしれないのについて行ってしまう。みんなで動く前に、一人一人が自分の将来の10年20年先を考えての行動をしたいが、アジテーターに一般大衆は常に踊らされ、思考能力を失い、資本の流通の思う壺に填まって行くのであろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO66324280U4A200C1MM8000/