日帰り旅行の費用は事前の訓練を含めざっと2600万円

(日経「春秋」2014/1/11付) 東京から新幹線で西に走れば熱海あたり、新大阪から西なら姫路。100キロとはそのくらいの距離である。天文学者フレッド・ホイルは「宇宙はちっとも遠くない。車がまっすぐ上に向かって走れるなら、たった1時間のドライブだ」と。今週には日本の旅行会社が宇宙旅行を専門に扱う子会社をつくった。はるかかなたの地球を眺め、高度110キロで無重力状態を4分間体験し、という往復2時間の日帰り旅行が、ことし中にも実現しそうという。そういえば半世紀前、「夢のハワイへ」を宣伝文句に掲げたクイズ番組があった。いまや宇宙旅行が「かなう夢」になりつつある。日帰り旅行の費用は事前の訓練を含めざっと2600万円。世界で600人が支払いを済ませ、日本では平均60歳ほどの男女18人が申し込んだと。夢の値段が高いかどうかは懐具合もあろうが、ぜひ行きたいと思うか、そんな夢とは無縁で結構と思うか、はっきり意見が割れそうな話でもある。
(JN) 技術革新は一般化出来るほどの価格になってこそ価値があり、そのためには初めは高価な額を支払って使うものがいなければならない。それにしても2600万円で宇宙日帰り旅行、その目的は600人それぞれが違うのであろうが、これに投資をしようということが素晴らしい。東京と熱海の間であれば特急に乗っても2000円かからないその距離でどんな体験ができるのであろうか。地球は本当に青いのか、カモメのように飛んだ気分になれるのであろうか。危険度も考えて試みるという事がつくる側だけでなく使う側も大切だ。私はこの経費が2600円ぐらいまでになったら乗ってみたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO65194250R10C14A1MM8000/