昔はよかった

(日経「春秋」2013/12/30付) 東京駅、先週末に始まった帰省や出国のラッシュは、きょうあたりまで続くらしい。とりわけ混むのが弁当売り場だ。帰省に限らず、こうした駅弁の空き箱を、皆どうしているだろうか。今は大半がホームなどのゴミ箱に捨てている。昔は座席の下にこっそり放置したまま、という光景を時々見かけた。この種のマナーは戦前の方がかなりひどかったと、大倉幸宏さんの「『昔はよかった』というけれど」という本。駅弁の箱からミカンの皮、ビール瓶に吸い殻まで、床に捨てたり窓から放ったり。川はゴミ捨て場同然。図書館の本は汚れ放題。当時の随筆や新聞記事からは、そうした姿が浮き彫りになった。モラルの低い医者や食品業者も珍しくなかったという。戦前の日本はすべて美しく、戦後の豊かさが何もかもダメにしたと嘆く人がいる。その一方で外国人のマナーにまゆをひそめ、日本人は根っこから違うと悦に入る向きもある。果たしてそうか。むやみにおごらず、かつ、正しく誇りたい。
(JN) 昔を美しいと語る輩は、ウソをついているのか、そう思い込んでいるのか、偶々美しいところにいたのか、何れにしても現状を把握していないといことだ。一般大衆がマナーを守るようになってきたのは平成になってからかもしれない。「昔は良かった」と、それはその時はそれで良かったという昔の話だ。だから、日本人も最近はマナーがやっと良くなってきた。隣の赤い大きな国の国民だって、そうなって行くのであろうか、そこには国民性も加わるのか。その国にはまず大気汚染を何とかしてほしいし、我が国はおごらず、放射の汚染を何とかしなければならない。そのために正しい情報を国民に伝えてほしい。昔の美しい日本に戻してほしい??
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO64756600Q3A231C1MM8000/