店先から会話が消えたことも、お年寄りの孤立感を深めた

(日経「春秋」2013/12/16付) 「高齢者の万引き犯が増加中」。本紙社会面に、そんな小さなコラムが載ったのは20年前のことだ。直近の統計では高齢者が万引き犯に占める比率は3割を超えた。4年前になるが、警視庁が取り調べ担当者を通じて万引き犯1000人余りを調査した結果がある。たとえば未成年の万引き犯には所持金がなく、遊びを楽しむ感覚で、仲間の誘いを断れず犯行に及んだ例が多い。高齢者の答えは対照的だ。お金はある。しかし生きがいがない。誰かにかまってほしくてつい、という場合も目立つ。昔なら買い物ついでに会話があった。「店先から会話が消えたことも、お年寄りの孤立感を深めたのでは」。作家の藤原智美さんは、本紙の取材にそう語っている。街の居心地を良くし、罪を犯す人も減るよう、もっと工夫が生まれていい気もする。クリスマスに年末年始と、にぎわいが独り生きる人の心を乱す季節が来た。思い悩む人たちに居場所とつながりを作る。そうした発想もビジネスの芽になる。
(JN) 子どもの悪戯と同じというわけではないが、自分の存在を示す方法として高齢者が万引きを犯す。これは残念である。もっと良いアッピールがるであろう。これは社会が考えねばならんない。やはり、私たちは身体が動くうちは何かをしたいのであるから、高齢者のできることをやってもらいましょう。そのお世話するのは若者たちである。若者ボランティアと高齢者のボランティアができないであろうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO64131930W3A211C1MM8000/