若者がしなやかに生きられる社会を

(日経「春秋」2014/1/13付) 話が弾む、正月休み、久々に高校のクラス会。1970年代半ばに母校を巣立ち、それぞれの道を、それぞれのやり方で歩んできた仲間たちである。もっと若いころは再会してもみな妙に肩に力が入っていたものだ。思うようにならぬことの多さを知り、思いもかけぬ幸運にも出合い、人は大人になる。きょう成人式に臨む若者たちもそうだろう。自分が何をしたいのか見当がつかず、そのくせ周りの意見など聞きたくないからヘンに身構えたり素っ気なくしたり、要するに青春というもののただなかにある。人生も世の中も、何が起こるか全然わからない。これからの時代は働き方も家族のかたちもどんどん多様になるだろう。ならばさまざまな価値観を受け入れ、若者がしなやかに生きられる社会を目指すとしよう。シニアにとっても、そのほうが心地よいに決まっている。
(JN) 年齢別人口比率では若者の比率が低いこの年寄り天国の日本で「若者がしなやかに生きられる社会」とはどんな社会であろうか。それは年寄りが与えるものではなく、若者たちが自ら作り上げなければならないのであるが、社会はそれを阻止していないか。仕事場の組織、行政、立法及び司法、それぞれが年寄りのための組織である。東京都知事の候補者はどうだ。あなたの職場はどうだ。執行組織の管理職の在り方や会議体に、20代の者何人以上入れるとか考えてはいかがです。若者も、成人式で暴れるより創造的組織の中で暴れてくれ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO65247600T10C14A1MM8000/