教育訓練費は1990年代に入って低下傾向に

(日経「春秋」2013/12/17付) 日立製作所は従業員教育を早くから始めた会社の一つ、日立村に、鋳物づくりや製図などを教える「徒弟養成所」を設けた。徒弟養成所は2年目以降も生徒を増やし、製品がなかなか売れないなかでも寄宿舎まで建てて教育に力を入れた。その後の会社の成長は、こうした人材育成なしには望めなかったに違いない。ところが近年、企業が毎月支出する従業員一人あたりの教育訓練費は1990年代に入って低下傾向にあり、2011年は91年の6割強の水準。新製品、新サービスを生みだす力が落ちてはいないだろうか。徒弟養成所をつくった頃の日立は技能を磨くための機械設備に不自由した。環境に恵まれた今の日本なら、やりようはたくさんあるはずだ。
(JN) 経費節約の時はその対象となるのが教育や福利厚生の経費であろうか。しかし、企業は人有っての組織である。国としても同様であろう。日本は過去には学校教育よりも企業教育であった。それが企業が教育訓練費にを節約するようになったので、学校での実践的能力が期待されるようになってきた。それにより大学ではリベラルアーツより専門教育が重視されるようになり、学生の教養力が落ち、日本自体の教養力が落ちていないか。それが新たな発想力の低下を生じさせていないか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO64187690X11C13A2MM8000/