「日本人の伝統的な食文化」

(日経「春秋」2013/12/6付) テレビドラマ「寺内貫太郎一家」には、いつも朝ご飯の献立が字幕で出てきた。おみおつけ、納豆、切り干し大根、それにゆうべの残りのカレー……。「ゆうべのカレー」なんぞも含めて、こういうメニューこそ昭和の日本人が親しんだ日常食だった。コンビニにとりどりのお総菜が並び、洋風中華風エスニックが食卓に混ざり合ってはいるが、それもこれも全部ひっくるめてわれらの日本食である。ユネスコ無形文化遺産に「和食」が仲間入りすることが決まった。「日本人の伝統的な食文化」全般をさすという。朝カレーはどうか、コロッケに肉野菜炒(いた)めの定食は……などと茶々を入れたくもなる。明治このかた、世界のさまざまな食を自在に融合してきた歴史を思いもする。われらの日本食、奥が深い。
(JN) 「和食」とは「日本食」のことなのであろうか。私たち日本に居る者は、あらゆる外国製品を自分たちの都合の良いようにしてしまう、和によって成り立っている。そのままだと、バタ臭いなどと言われてしまう。そういった和の国の「和食」の幅は広い。大好きなカレーだってラーメンだって、そこの国のものとは違う、日本のカレーであり、日本のラーメンである。伝統的食文化とあるが、何処が認定してくれるのか、是非とも、カレーとラーメンを和食として含めてほしい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO63680260W3A201C1MM8000/