初めて会って5千万円?

(日経「春秋」2013/11/23付) 闇に埋もれた事実を暴くノンフィクション作家・猪瀬直樹がこの席にいたら、果たしてどんな質問をぶつけたのか。知事選前に猪瀬さんに徳洲会側から5千万円わたっていたことの釈明。選挙に出ることを決めた昨年11月、徳田虎雄氏に挨拶に行った。初対面である。しばらくすると徳田氏側から5千万円を貸そうという申し出があった……。初めて会って5千万円? などなど、筋の通らぬところはいくらもあるのだが、わけても不思議なのは、「選挙のことを知らなかったし、これから何があるか分からないので借りたが、選挙とまったく関係ない金だった」と。猪瀬さんは駆け出しライターだった30代のころ、仲間と飲んでどんなに座が盛り上がっても午後10時には店を出て仕事場に戻った。自分と向き合うためだという。「酒の席を適当に切り上げる習慣は今も変わっていない」と最近も書いている。二人の猪瀬直樹が向き合って、知事は作家を丸めこむことができるのだろうか。
(JN) ノンフィクション作家より、行政のトップは魅力がある。それ以上に、お金は魅力があるのか。知識人が急に無知になったり、それでも自分は正義であり、その正義が悪を暴くのである。都合の良い解釈には辻褄が合うのであろうか。この5000万円の陰に何が潜んでいるのか、是非とも猪瀬ノンフィクション作家に面白おかしく書いてもらいたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO63030320T21C13A1MM8000/