そもそも自分を伝える熱意がないからなのか

(日経「春秋」2013/6/3付) 「東京2020はダイナミックなイノベーションとグローバルなインスピレーションを共にもたらします。日本人のユニークな価値観とグローバルなトレンドを発する都市の興奮を、試合のパワーと一体化します」――(東京五輪の招致委員会の英文サイト)。使い古されたキーワードを並べただけでは、東京の魅力は少しも伝わってこない。猪瀬直樹知事も手ぶり身ぶりを交えて英語のプレゼンテーションで頑張ったけれど、聴衆の気持ちはつかめただろうか。スティーブ・ジョブズ氏が、異性の口説き方について名言を残している。「ライバルが10本のバラを贈ったら、君は15本贈るかい? そう思った時点で君の負けだよ。ライバルが何をしようが関係ない。相手が望むことを見極めるのが肝心なんだ」。消費者の心を射止めたジョブズ氏の言葉には説得力がある。日本は、おかしな文章を世界にさらして平気なのは、そもそも自分を伝える熱意がないからなのか。
(JN) 日本はガラパゴスなのであろうか。或いは、自分たちの作り出すものに自信があり、使う者のことを考えないのか。そもそも、言われたことを忠実にこなす、組織社会であり、創造力とチーム力に欠けるのか。繋がりを強調しているはずの日本がなかなか他国と繋がらない。島国に閉じ籠りながらでも、なんとか、こんなで生き残っている以上、この構造は変わらない。そもそも自分を伝えるものがない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO55767980T00C13A6MM8000/