自然はいつも人に優しいわけではない

(日経「春秋」2013/9/6付) 東京から名古屋に転勤した男、地元の人間になりきれるか試した。言葉は完璧であったが、地下街があるのに地上を歩いたため、ばれてしまった。「東京の人は地下街が嫌いだで」。清水義範氏のユーモア小説「蕎麦ときしめん」の一こまだ。名古屋の中心には巨大な地下街が広がる。小説の発表から30年近く、今や大阪や東京も地下街が充実する。雨の日の通勤や買い物には特に助かる。急な雨に降られたらとりあえず地下街に難を避ける、という人も多かろう。そんな人は習慣を見直す必要があるかもしれない。日本気象協会のサイトが、こう呼びかけている。「急に雨が強まったからといって、地下などに逃げるのはなるべく避けましょう」。大きな被害をもたらした竜巻にも、先のサイトは「窓から離れ、なるべく低い姿勢を保ちましょう」と注意を促す。こうした情報を気に留めておくことが、いざというとき命を救う。自然はいつも人に優しいわけではない。だからこそ知識という備えが普段から大切になる。
(JN) 自然との和を保ちながら来ていた日本人が、明治維新以降、西洋化して自然を抑え込むようになってきた。しかし、自然の力は時として、我々の想像を超えて暴れる。最近の大雨や竜巻であり、東日本大震災もそうである。このような中、自然に力として非常に強力な原子力を我々は本当に抑え込んで行くことができるのであろうか。そうであるなら、国や東電は我々に正確な情報を与えてほしい。後から聞いて驚くことばかりである。死ぬなら、それだけのことを知って死にたい。嘘は吐んでほしいよ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO59360940W3A900C1MM8000/