私には夢がある。

(日経「春秋」2013/8/28付) 50年前のきょう、マーティン・ルーサー・キング牧師がワシントンで人種差別の撤廃を訴えた演説は有名だ。「私には夢がある。私の4人の小さな子どもたちが、いつの日か、肌の色でなく人格の中身によって判断される国に住むことだ」。キング牧師の子供たちは1960年前後の生まれで、オバマ大統領と同じ世代だ。キング牧師が高らかに掲げてみせた夢が、黒人初の大統領という形をとって実現した。人種差別の撤廃を求める公民権運動はキング牧師の演説の後も曲折をたどった。マルコムXが暗殺され、3年後には、キング牧師が白人男性の銃弾に斃(たお)れた。それでも米国が、キング牧師の掲げた理想に向けて前進してきたとはいえるだろう。世界を見わたせば、キング牧師のように堂々と夢を語ることさえできない国が、まだある。特定の民族に対して憎しみをあらわにするヘイトスピーチが、公然と行われ始めた国もある。キング牧師の夢を改めてかみしめたい。
(JN) チャンスはその能力に応じて与えられるべきものであり、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位、門地等の差別があってはならないはずだ。ご承知の通りどこからか持ってきた文面だが、我々が共存して行く上での最低限の権利の保障が無ければならない。安心して自分の考えを述べることが、現在の経済体制を支えていく上でも、基本条件である。それぞれの私の夢を実現するには、憎しみ合いから卒業することである。今、摩擦が起きているところの関係について、1年後、5年後、10年後、20年後を夢見て、様々な壁をなくして行きたい。私には夢がある。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO59012280Y3A820C1MM8000/