いずれは選挙運動の常識を変えるかもしれない

(日経「春秋」2013/7/6付) 満員電車に乗り込みながら、駅の階段を駆け下りながら、スマートフォンを操っている光景、危険極まりない「ながらスマホ」。あの画面のなかの小宇宙に人々はなぜだか魅せられ、吸い込まれてしまうものらしい。かくなる魔力を持つネット空間での選挙運動が今回の参院選から認められた。近年のネットの普及を考えれば、ようやくの解禁ではある。若者が政治に関心を持つきっかけになるだろうし、いずれは選挙運動の常識を変えるかもしれない。しかし、刺激的な言葉やワンフレーズが幅をきかせるのがネット空間だ。ツイッターフェイスブックには極端な意見があふれている。候補者も有権者も、心してつきあう必要があろう。うつむいて、スマホの画面にとらわれていたら目に入らぬものもある。顔を上げてまわりをよく見ないと危険、なのだ。
(JN) スマホの世界は小さすぎる。しかし、それゆえ小さくて便利なので、簡単に持ち歩きながら使ってしまう。その世界に吸い込まれてしまう。若者には是非とも、政治の世界に吸い込まれて、自分たちの代表者を選んでほしい。それは他人の意見も聞きながらも、自分の意志で選ぶこと。ウェッブ上に出てくることは都合のいい話ばかりであろうが、その中から都合のいい話の中に矛盾を見出し、疑問を持ち、それを検討することだ。そして、現状維持がいいと思うな。年寄りは今を守ろうとするから、若者たちは苦しい選択の中から新しい世界を見出そう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO57043220W3A700C1MM8000/