「未来を変えるデザイン展」

(日経「春秋」2013/5/27付) トヨタ、キリン、ヤマハ富士通三井物産、こうした大手企業19社による「未来を変えるデザイン展」は、高齢化などが進んだ2030年の日本を見据え、ビジネスを通じ社会課題の解決に取り組む実例を、模型や文章で見せる。辞書でデザインを引くと設計、図案、意匠とある。モノや記号の形や色の話と思われがちだが、米国などでは無形のものを生み出すことも指す。日本でもデザイン経営、社会デザイン、コミュニティーデザインなど、用法が広がってきた。ヤマハの展示は、音楽による街づくり。市民音楽祭の支援で公園や駅前に音楽が流れる街を目指す。高齢者、子育て中の親、子供らを音楽でつなぐ試みだ。楽器というモノづくりから教室での人づくりを経て地域・きずなづくりへ。いろいろな企業がこうした発想で事業をデザインし直せば、未来は開けるかもしれない。
(JN) 有形無形の革新的なデザイン、その発想を採用して、如何に実用化するか、それがそこの将来にかかっているのであろう。混沌とした中で、既成にとらわれず作り出そうという姿勢から難しい。方向性を示さないと出てくるものは多種多彩である。方向を定めてしまえば、出てくるものも常識的な範囲になるし、方向性への条件が多ければ作られるデザインは複雑になる。であるからここからまずそうならない方向性のデザインを考えねばならない。何れにしても、恰好ではなく生活する者のためのデザインを考えるべきなのである。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO55501940X20C13A5MM8000/