3次元プリンターは作る人と使う人の垣根を消す

(日経「春秋」2013/5/12付) 何かが手軽にできるようになることは、往々にして危険や落とし穴と表裏一体である。家庭でもプラスチックで拳銃が作れてしまう設計図を大学生がネット上に公開し、議論を巻き起こしたニュースだ。用いるのは「3次元プリンター」と呼ばれる機械だ。モノを半ば自動で作ってくれる。テレビや冷蔵庫のように一家に一台近くまで普及すれば、アクセサリーのデザイナーがネットを通じ設計図だけを販売する、といった新しいビジネスも成り立つ。拳銃のような危険なものも、こうした形で国境を越えて広め、売ることができるようになるわけだ。ネットが書く人と読む人の間の壁を崩したように、3次元プリンターは作る人と使う人の垣根を消す。ネット経由で配布された拳銃の図面は世界100カ国で80万。すべて実際に銃を作ろうという人ではあるまいが、気になる数字だ。
(JN) 自由であるためには、逆にルールが必要となる。人々がお互いに信用できるのであれば、ルールはいらないのであろうが、そうはいかない。法律や道徳は、時と場所で変わる。世界はどんどん自由に情報が行き来でききるようになり、地域におけるルールから国際的に定めて行かねばならない。今後、世界はどんどん情報も人もモノも自由に世界を動くようになる中、我々は日本に閉じこもって、円安とか歴史認識とは言ってられないのではないか。いずれにしても、様々な壁が崩れていくのであろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO54932610S3A510C1MM8000/