一般人が持つ空き部屋に国境を越え無料で泊まりあう

(日経「春秋」2013/3/9付) 若い女性が理想のホテル作りにまい進するNHKの連続テレビ小説が、見る人の間で賛否両論らしい。ところで、世界最大のホテルチェーンはどこか。答えは「普通の人の部屋」だという。一般人が持つ空き部屋に国境を越え無料で泊まりあう。インターネットを使ったそんな会員制サービスに登録されている部屋の数が、商業ホテルチェーン最大手のそれを上回ったそうだ。このサービスに登録する会社員、青林寛さんは同じ20代の男5人で1つの家を借りて住む。これまで2年半で300人の外国人を泊めた。自分たちの社会や文化を見る新しい視点を学び、英語力も磨く。利用者が増えるのは、世界に友達ができ、自分が成長していく魅力が勝るからだろう。朝のドラマの主人公は、今のホテル業界から薄れた人や文化とのふれあいを新事業の柱に据える。素人の集うネットが、それを先取りしている。
(JN) ネットがネットを広げ、いろいろな可能性が広がっている。差別なく、国境なく、資本の価値形態に取りこまれず、人と人が集える。こういった輪は今後どのように広がっていくのであろうか。一方では、TPPすら実行できない現実、壁をどうなくして行くことができるであろうか。ベルリンの壁が崩されて、干支が2回まわったが、見えない壁はなかなか崩せない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO52603550Z00C13A3MM8000/