「フタバから遠く離れて」

(日経「春秋」2013/1/30付) ドキュメンタリー映画が「フタバから遠く離れて」が、先週末に福島県内では初となる上映会が福島市であった。無念や絶望、怒り、諦念。この映画では被災者の様々な思いを四季折々の風景と重ね合わせて描いている。かつては原発推進派だった井戸川克隆町長の苦渋に満ちた表情にもカメラは迫る。その町長が先週、辞職を表明した。汚染土を保管する中間貯蔵施設の受け入れなどを巡って、町議会と対立したのが直接のきっかけという。町長は自らに不信任案を突き付けた議会を昨年末に解散したから、双葉町はしばらくの間、町の意思決定ができない異常な事態に陥る。映画の上映後のトークショー舩橋淳監督は「町長は町民のことを真剣に考えてきた人」と話していた。双葉が抱える問題の根底には復興と賠償の遅れがある。「今は離れて住もうとも放射能の危険が去り、自然と共生できるようになったら再結集しよう」。町長が町のホームページにつづった最後のメッセージである。
(JN) 当事者でない我々からは何も言えない。みな様々な生活があり、考えがある。我々には何もできなが、この現実をしっかりと受け止めよう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO51147210Q3A130C1MM8000/