直下地震対策に死角はないか

(日経「社説」2013/1/17付) 6400人余りの命が奪われた阪神大震災からきょうで18年になる。都市の直下で活断層がずれる大地震は、列島のどこでも起こりうる。阪神の被災地では高校3年生までが震災を直接知らない世代になり、地元は災害体験の風化に危機感を募らせている。東日本大震災の記憶が新しいいまだからこそ、2つの震災の教訓をきちんと整理しておきたい。西日本では、政府が東海から九州沖で起きる「南海トラフ巨大地震」を想定し、沿岸の自治体が津波対策に動きだした。歴史的には南海地震が近づくと、近畿や中国地方などで内陸地震が増える傾向がわかっている。安倍政権は緊急経済対策で防災の強化を掲げ、古い建物や橋、トンネルなどの補強を急ぐとした。これらに優先順位をつけて取り組むのは大事だが、ハード面に偏った対策だけでは限界がある。情報を的確に伝えて避難を促し、人命を確実に守るソフト面の対策が不可欠だ。2つの震災で繰り返された「想定外」がまた起きないよう、行政と住民が想像力を働かせ、いまの対策で足りない点を補いたい。
(JN) 「想定外」というのは言い訳なのであろう。我々は何を一番に考えなければならないのか、被災を受けた方々のお話を聴く必要がある。その情報を基に、我々が個々に考えることも大事である。大きな会場に被災した方がをお呼びして話を伺うという方法もあろうが、できれば我々が被災場所へ出向いて聞くべきであろう。老若男女、被災地へ行き手伝いをして、そして話を聴こう。そういう機会を地域、企業、諸団体は考えてくれないか。死角は机上ではわからない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO50676240X10C13A1EA1000/