正しく恐れ、行動する難しさを思う

(日経「春秋」2012/12/9付) おとといの夕方、東北と関東地方を襲ったマグニチュード7.3の地震も、東日本大震災の余震だという。あの日から1年9カ月近く。大地の暦では「引き続いて起こる」の範囲内なのか。このたびのものは「アウターライズ地震」に分類されるそうだ。遠い地盤が上下にずれるため、陸地の揺れが小さい割に津波が大きくなりやすい。復興への努力と並行し、「余震」への警戒も強いられる。つらい話だ。被災地を取材した際、ご高齢の方が悔しそうに語った。津波警報に「いつも実際は大したことはない」と家にとどまり亡くなった友人も多かった、と。その被災地で今回、徒歩避難の原則をよそに車で逃げる人の渋滞が発生。昨年の教訓が生きていないと自治体は衝撃を受けている。正しく恐れ、行動する難しさを思う。
(JN) 地震に慣れてしまい、自然をなめたわけではないが、3月11日のその判断で、残念なことになった。今回の揺れ、金曜日はまだあの記憶があり、高台を目指したのであるが、歩行避難の原則に従わない者もいたための交通渋滞は何を意味しているのか。恐さゆえの行動であろうが、形振り構わずにならないような行動は日ごろの心構えや訓練による。日々、行動を考えておきたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49359520Z01C12A2MM8000/