伝えるべき物語と、学びを望む人

(日経「春秋」2012/11/25付) 宮城県石巻市の「石ノ森萬画館」は海に近い旧北上川の中州に立つ。昨年の津波で損傷し、休館を余儀なくされた。このほど再開した同館は、一画を震災の日とその直後の状況を伝える展示にあてている。震災の体験や記憶を、どう語り継ぐか。同じ宮城県南三陸町では、あるホテルが「語り部バス」を運行する。街を見た宿泊客から、もっときちんと知りたい、体験談を聞きたいと要望を受けたのがきっかけになった。団体バスへの同乗に続き、個人客の要望にも応えようと毎朝のツアーも開始。多い日は大型バス2台分、少ない日でも20人が参加する。伝えるべき物語と、学びを望む人。両者を結ぶ工夫が被災地に育ちつつある。
(JN) この記憶は長く私たちの心の中に残るであろうが、それでも四季の国の日本人は忘れ去ろうとする。我々は未来の人たちのために記憶を記録として残していかねばならない。それは被災地だけでなく、日本人がそれぞれの立場で、今後とも日本自体の復興とともに、記録を刻み自分たちのその思いも伝えていかんえばならない。未来へ借金を送り込もうとするどこかの勇ましいそうな党首がいるが、それは無責任であろう。我々は未来に残すものを考えて行こう。そして学んでいこう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO48793880V21C12A1MM8000/