まあ、シンタローだからねえ

(日経「春秋」2012/11/23付) 石原慎太郎さんは「言葉の人」だ。「三国人」発言や「ババア」発言に眉をひそめていた世間も、やがて受け流すようになった。「まあ、シンタローだからねえ」とはいえ、「日本も核保有のシミュレーションをすればいい」とか「日本は米国の妾(めかけ)で甘んじてきた」とか、やっぱりの暴走ぶりである。こういう発言を「歯に衣(きぬ)着せぬ物言い」などと持ち上げる風潮がある。周辺国の圧力が増すなかで、留飲が下がると喜ぶ人もいる。しかし考えてみれば、もう「シンタローだからねえ」では済まないはずだ。言葉をほとばしらせてやまぬ人といえば、橋下徹さんを忘れてはなるまい。野合批判の絶えぬ合併劇だが、石原節炸裂(さくれつ)のさまを見れば橋下さんの狙いもわかる。今後は自らの言葉との激情二重奏を聞かせたいのだろう。耳を塞がず熱狂もせず、その響きをじっくり反芻(はんすう)するとしよう。
(JN) 誰がなっても官僚社会の日本では、せめて勇ましいことを言うのが人気が出るのか。我々国民はもう少し賢くならなければならないのであろうが、何せ御上任せで教育を受けてきた我々は情けない。情報を得るのも空気に従うマスコミの情報ではまんまと体制の思うとおりになるか、ねじれ現象を作ってしまったり。代議員と都知事について、自分なりに未来の人たちに迷惑の掛からぬようにしたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO48747160T21C12A1MM8000/