成功の道は信用を得ることである

(日経「春秋」2013/10/25付) 人の名前は商品に不思議な力を与えるらしい。同じ野菜でも「山田さんのトマト」とあると、ただのトマトではなくなる。真偽を確かめる暇も必要もなく、人はものを買い、商品は流通し続ける。日々お金を払って消費されているのは、商品そのものだけでなく、情報なのかもしれない。買い手が笑顔で満足なら、それでよいともいえる。けれども白を黒と呼べば罪である。京都の九条ネギと称して普通のネギを出せば、すぐ嘘だと知れる。「メニュー偽装」を犯した阪急阪神ホテルズは消費者の基準を、ずいぶん甘くみたものだ。「成功の道は信用を得ることである。どんなに才能や手腕があっても、平凡なことを忠実に実行できないような若者は、将来の見込みはない」。阪急電鉄の創業者、小林一三の言葉である。
(JN) この資本主義の世の中、信用が第一である。信用によって発展したのである。それでも、その信用を裏切るものが常に出てくるのも、資本主義である。その信用を確実にするのが情報であるから、その発信は忠実でなければならな。勝手に解釈したり、補正すると信用が落ちるのである。でも、我々は、惰性でこの平凡な業務の執行を怠るのである。我々はこれを忘れてはならない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO61606760V21C13A0MM8000/