旺盛な企業家精神が、米経済の強さの根っこにありそうだ

(日経「春秋」2012/11/11付) ロムニー候補のTシャツは2枚15ドルで、最後のたたき売り。オバマ大統領の方は2枚で20ドル。商魂たくましいと言うべきか。オバマTシャツは、投票の翌日には早くも「就任式」と書いた新製品が出たそうだ。先が見通せなくても、リスクを取って勝負する企業家がいる。競争で値段が日々変わり、アイデアとスピードで他に先んじた者が、より大きな利益を手にする。そんな旺盛な企業家精神が、米経済の強さの根っこにありそうだ。選挙の時期も見えない日本はどうだろう。経済界から「何もかも不透明だ」「何とかしてほしい」とぼやく声ばかり聞こえるのは、気のせいか。視界不良は、何も決断しない言い訳になりやすい。ワシントンのTシャツ屋、1月の大統領就任式の後に出す新製品は、とっくに決まっているに違いない。
(JN) 判断、決断をしない国家・国民である我が日本、政治だけでなく、産業界も同じく。規則や他人の所為にしていまい、前進できない。わが身も正に然り。オムニ氏が述べているように「いきすぎた教育とは人間を硬直させる」のであろう。官僚はディシプリンやルールを重視した行動を行うのが仕事であろうが、政治家や企業家はそうではないはずであろう。リスクを負わなくては、新たなものを得ることはできない。日本は守りの国になり試みを失ってしまったのであろうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO48300860R11C12A1MM8000/