とにかく縁をつくる

(日経「春秋}2012/10/18付) 破格の安値である。1867年の今日、米国がロシアから購入したアラスカの値段は、土地1エーカー当たりで2セント、現在の為替相場で単純計算すれば1ヘクタールでわずか4円弱だ。アラスカほどではないが、日本でも1平方メートル当たり1円で宅地が買える。北海道中部の秩父別(ちっぷべつ)町は3年以内に家を建てて、住民票を移して暮らすことが条件だ。さらに格安、栃木県那珂川町などのように土地代はタダという町だ。田舎暮らしにあこがれる人は多いが、見ず知らずの土地では腰が引けるのだろう。そこで、将来の定住を狙って知恵を絞ったのが鳥取県智頭(ちづ)町だ。地震などで家を失ったら、年1万円の会費で1週間、町で宿と食事を保証する事業を打ち出した。名付けて「疎開保険」。災害がなければコメや野菜を贈る。契約者は大阪、東京を中心に350人に上るそうだ。まずは、とにかく縁をつくる。やはりそこから始めるしかあるまい。
(JN)都会生活の住みやすさと田舎暮らしへの憧れ、いざ実行するとなると難しい。そこで生活する以上、近隣と無縁で住める都心砂漠地帯と異なり、人としての生活がある。本来の日本人の姿があるはずだが、都会生活はこれを直ぐに受け入れることげできない。これでは拙い。今、住んでいるところから、縁を考えて行こう。この不安定な日本、祖国の土地を失い、流浪の民になる可能性もある。未来の日本人のためにも、閉鎖的でない和を作れる風土にしたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO47389340Y2A011C1MM8000/