フクシマの影響ではないかと思う

(日経「春秋」2012/10/17付) 芸は「粋」と「不快」しかない。そう著書に記したのは昨年死去した立川談志師である。舞台は週末の国営テレビの人気バラエティー番組。仏代表に勝ったサッカー日本代表ゴールキーパー川島永嗣選手の腕を合成写真で4本に増やし、司会者が「フクシマの影響ではないかと思う」とコメントすると、スタジオの聴衆から拍手と笑いが起きた。発言には国内外で批判が出ているらしい。「フランスでは多くの人が日本人にもユーモアがあることを知らない……本当ですよ」。仏語で落語をするステファン・フェランデスさんが3カ月前、NHKテレビでまじめに語っていた。日本人の多くはフランス人にも謙遜の心があることを知っているのに……本当ですよ。
(JN)揶揄して良いのは、強者や悪人である。弱者や被害者を笑いに使うことは人としてのその人物の心を疑う。許せない行為である。しかし、我々は動もすると、人を傷つけることを行ってしまうことがある。気をつけたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO47350740X11C12A0MM8000/