私たちは近い過去に、強烈なナショナリズムの熱情にとらえられた

  • (日経/春秋 2012/8/17付) 先日、91歳で亡くなった哲学者の上山春平さんが終生のテーマとしていたのは「国家とは何か」という問題だった。人間魚雷「回天」の特攻隊員として九死に一生を得た体験が、その根っこにあったという。有名な「日本のナショナリズム」は戦後20年のころの著作だ。「私たちは近い過去に、強烈なナショナリズムの熱情にとらえられた」。ナショナリズムが暴走するといかに厄介かを説き、もっと伸びやかな「開かれたナショナリズム」への転換をうながす。この終戦記念日にかけて次々と押しよせた、周辺国のむきだしのナショナリズムとどう対峙しよう。ネット空間などには、中国や韓国に対する激越な言説があふれている。「開かれたナショナリズム」への転換を唱えた上山さんは、その条件が日本にこそ熟していると述べた。現在のわたしたちは、証しを立てられるだろうか。
  • (JN)他国を卑下することで自分たちの正当性を主張する愚かさは、小国の常である。止めてもらいたいものである。隣国を大事にしたい。信用こそ民主主義と資本主義発展の鍵である。国民に信頼されない現在の立法、行政及び司法では、他国にも信用されないであろうか。我々は、ナショナリズムを履き違えないようしたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO45079400X10C12A8MM8000/