世界的な食糧危機を避ける

  • (日経/春秋 2012/8/16付) トウモロコシの名前の不思議。最初の2文字、トウは漢字で唐。一方あとの4文字、モロコシも、漢字で唐と表せる。トウモロコシを読みほぐしたら「中国中国」ではないか、と。そのくせ、中国が原産というわけでもない。1492年にアメリカ大陸にたどり着いたコロンブスがヨーロッパに持ち帰ったのをきっかけに、いわゆる旧大陸に広がったとか。そして100年もたたないうちに日本にも伝わったそうだ。いまではコメ、小麦とともに世界三大穀物と呼ばれたりする。コメや小麦に比べ近年の世界生産量の伸びはめざましい。エネルギーとして使われるようになったことが農家の意欲を刺激してきたからだ。トウモロコシを原料とするバイオ燃料が米国で普及した。しかし、飢えに苦しむ人はなお多い。いま、最大の生産国でもある米国の記録的な干ばつで、トウモロコシの国際相場は今、かつてない高値をつけている。世界的な食糧危機を避けるため、米国はバイオ燃料の奨励策をやめるべきだ。そんな声も浮上している。オバマ大統領はどうするのだろう。最大の輸入国、日本としても気になるところだ。
  • (JN)資本の論理では資源の公平な分配はない。人々の生命とは関係ない。この資本の論理における民主主義の下で政治家はどこまで力を発揮できるのか。今我々が選んでいるこの資本主義の中で、この地球的規模から家庭の世界まで、いかにビジョンと計画的な目標を持って行くか、個々に対応しなければならない。マスコミに踊らされない公民としての意思を持って、選ぶことをしていかねばならない。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO45042090W2A810C1MM8000/