酵素を使うとおがくずやコピー用紙が分解されてブドウ糖

  • (日経/春秋 2012/8/18付) 「虎というのは、とてもコワイものだ、と親から何度も話を聞かされていた子供がいた。恐ろしい、というだけで、その姿かたちは絵でも見たことがなかった」。その子がある日、何かを見て「あっ、トラだ」と叫んだ。子供は何を見たのか。答えはエビ。「たしかに、エビやカニの類の形態には、そのくらいの実力はある」という説には異論も聞こえてきそうだ。しかし、正真正銘の実力の持ち主は、深さ1万メートルという太平洋のマリアナ海溝の底で日本の深海探査機がつかまえたカイコウオオソコエビである。何で実力者かというと、これまで知られていなかった消化酵素を持つからだ。この酵素を使うとおがくずやコピー用紙が分解されてブドウ糖になる。しかも効率がいい。だったら、木材、紙から食べものや環境に優しいバイオ燃料が作れるではないか。バイオ燃料になるトウモロコシの相場が高騰している。酵素が大量生産できれば食料不足の解消にもつながると、酵素を発見した海洋研究開発機構では話している。まだまだ地球は底が知れぬと実感する。
  • (JN)地球上で、我々が知っているのは地上の一部である。まだまだ発見がこれから沢山あるであろう。怖いもの見たさで、姿もわからず、夢も見ながら、目先の利益だけではなく、じっくりと手探りをして行こう。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO45123200Y2A810C1MM8000/